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社会問題となっている虐待、認知症、介護予防、ダブルケア、ヤングケアラー、障がい者の社会参加、差別・偏見などの暮らしの課題は、サービスの量的拡充や専門性の向上だけでは太刀打ちのできない、領域横断的な特質を持っています。たとえば、認知症高齢者の見守りは、地域住民や近隣商店街の力を借りなくてはいけません。ヤングケアラーを支えるためには、児童から高齢に至る福祉サービスはもちろん、学校や職場の協力も必要になります。一方、意思を感知するAIや動作を支援するロボットがあれば、障がいを持つ人々の活躍の機会が飛躍的に増えていくことでしょう。
現代の福祉には、その量と質の充実に加え、地域社会との関わりの中であり方を再定義し、越境し、あらゆる領域・主体と連携する「社会化」(Socialization)の姿勢が求められているのです。いわゆる”福祉大”ではない本学の地域福祉コースでは、社会福祉士を目指すカリキュラムを軸としつつ、まちづくりや国際、政策、経営、情報などの他コースの学びも積極的に取り入れ、「社会化」を肌で感じながら学修を進めることができます。
これまでも、地理情報システム(GIS)×災害福祉、山村・漁村の活性化×住民福祉活動、ニュージーランドの政策×日本の福祉などをテーマとする卒業研究に取り組む”掛け算型”の先輩たちを多数輩出してきました。福祉にゆるぎない軸足を置きながら、関心ある課題を探究できる公益大の地域福祉コースの門をぜひたたいてください。

地域福祉コースの学びのユニットは…
児童や高齢者、障害者、低所得、医療福祉など、社会福祉の各分野の制度やサービスがどのような仕組みで成り立っているかについて専門的に学びます。その上で、現状や福祉の政策的な課題について考えを深めます。学びの前提となる基礎教育科目「社会福祉学a・b」の1年次での履修を推奨します。
福祉の現場で働きたい方や、地域福祉に関心がある方が身につけておきたい専門的な知識について理解を深めます。地域福祉における住民の主体形成や地域におけるケアマネジメント体制、福祉サービスを提供する組織の経営、権利擁護と成年後見、刑事司法と福祉などについて学びます。
各科目で、ソーシャルワークの形成過程や理念、個人・グループ・地域社会を幅広く対象とするソーシャルワークの具体的な理論と援助技術について学び、人々が社会生活上抱える課題に対応するソーシャルワークの実践モデルや様々なアプローチについて理解を深めます。
現代社会における福祉政策の現在と今後を考えるために、社会福祉の意義と理念について理解を深めるとともに、歴史を振り返りながら、わが国における社会福祉とは何かを学びます。
医療と福祉の「連携」を学ぶ講義です。医療機関同士の“医療連携”、在宅の長期療養・福祉・介護を含む“多職種連携”そして住民自治組織やNPO等との“社会連携”について、最新の事例を題材としてディスカッションを行います。
相談援助を行っていく上で求められるケースワーク、グループワーク、コミュニティソーシャルワークなどの基礎的な援助技術に加え、相談援助の展開過程や援助者が遵守すべき倫理などについて理解を深めながら、相談援助の実際について学びます。
世界の中でも最も急激に少子高齢化と人口減少が進む日本社会において、児童、障がい者、高齢者、外国人など多様な人びとが、地域でともに安心して暮らし続けられるためにはどのような取り組みや制度が必要かについて学びます。