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IRに基づく教育改善


学生活動

 本学では大学戦略推進室に「IR担当」を置き、重要なデータを学内で共有し、課題があれば対策を協議するなどして、教育改善に役立てています。

・授業外学修の促進
 本学では、平成28(2016)年度に文部科学省「大学教育再生加速プログラム(AP) 卒業時における質保証の取組の強化」に採択されたことをきっかけに、授業前後の予習・復習など授業外学修を充実させ、授業理解を深める取り組みを続けています。具体的には、学生の授業1回当たりの授業外学修時間を科目区分ごとに前年度・前々年度と比較したデータを教授会に報告し、FD(ファカルティディベロップメント)などを行って授業外学修の促進に取り組んでいます。
<令和6(2024)年度実績等>
 学生1人1週間当たりの授業外学修時間は、平成30(2018)年度には12.56時間でしたが、令和元(2019)年度に17時間、令和2(2020)年度に18時間を超えました。令和3(2021)年度以降は16~17時間台を維持しており、令和6(2024)年度は16.5時間でした。学生の間でも一定時間の授業外学修を行うことが定着したものと判断できます。

・社会人基礎力の測定による学生像の分析
 入学時(1年春)と就職活動開始前(3年秋)の2回、社会人基礎力を「リテラシー(知識を活用して問題を解決する力)」と「コンピテンシー(人と自分にベストな状態をもたらす力)」の2つで測定し、結果についての解説会を行うなどして、学生が自身の成長度を確認するとともに、長所と課題を自覚して学生生活を送れるようにしています。この集計データは、入学年次による学生像の変化の分析等に活用しており、カリキュラムの改善などに活かされています。
<令和6(2024)年度実績等>
 令和6(2024)年度入学生の場合、比較対象である「私立大学文系1年平均」と比べて、「リテラシー」の数値は低かったものの、「コンピテンシー」の数値は高く、特に「対自己基礎力」「対課題基礎力」の数値が高いという結果が得られました。一方、「対人基礎力」の「対人興味・共感・受容」と「気配り」の数値は比較対象より低かったため、本学が力を入れる「アクティブ・ラーニング」、特に4単位以上修得することが卒業要件となっている「応用演習科目」の学びを通じて、これらのスキルの向上に努めます。

・アセスメントポリシーに基づく評価と改善
 学修成果の点検・評価の一環として、毎年度「教育課程編成・実施の方針における学部・学科レベルのアセスメント」と「卒業認定・学位授与の方針アセスメント」を教育推進委員会が、「教育課程編成・実施の方針における科目レベルのアセスメント」をFD部会が実施しています。このアセスメントでは、評価指標に基づき、成果をできるだけ数値化して、前年度等との比較を行い、教育改善につなげています。
<令和6(2024)年度実績等>
 学生全体のGPA平均値は、平成29(2017)年度は2.35でしたが、学生の授業外学修時間が伸びたことなどから、令和2(2020)年度には2.80となり、令和3(2021)年度以降も2.70以上を維持しています。令和6(2024)年度は2.74でした。
 学年ごとに見ると、2年生の数値が低い傾向は続いていますが、教育推進センターの分析で、2年次留年生の多寡が影響していることがわかっています。そのため、令和5(2023)年9月から、学生の保証人もWeb上で学生の成績や履修登録状況が確認できるようにし、家族とも連携して成績不振を防ぐ取り組みを強化しています。