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大学設立宣言


リリース
庄内の風景

今、東北の一郭・庄内の地には、創造と進取の気象がみなぎっている。その息吹のなかから新しい大学が誕生した。日本ではじめて公益学に挑戦する東北公益文科大学である。

庄内地方は、遠い北前船の時代には東日本・日本海側でもっとも栄えた港町を擁した。日本一、二を誇る庄内米などを扱って全国を先導した豪商・大地主も多く輩出した。さらに最上川や鳥海・月山には芭蕉はじめ、多くの文人墨客が足跡を刻んだ。また庄内藩とそれに続く城下町の伝統は高度の学術・文化を育み、蓄積した。

その豊かな歴史と事跡、試行と革新、そしてそれらを暖かく見守り包みこんできた美しく大らかな自然や景観から生まれたのが、公益学であり、公益大学である。

20世紀は<モノ・オカネ>本位の資本と市場原理の時代であった。その時代は、こどもにとっては必ずしもこどもらしく楽しく過ごせる時代ではなかった。過度な競争、いじめ、暴力がしばしば跋扈し、登校拒否、中退、学級崩壊も日常化した。

21世紀は<ヒト・ココロ>本位の時代である。<世のため人のため>の非営利の考えや活動、制度やシステムが大きな位置と役割を占めることになる。そのときこそ、こどもがこどもらしく、人間が人間らしく生きることのできる公益の時代である。

そこに至ってはじめて資本と市場の原理、そして中央や大都市本位の論理が、新しい公益原理によって検証され、公益と調和のとれるあり方を模索するようになる。

その公益原理に基づく公益学は、人間・自然・地域を尊重する視点から、自由と平等、平和と安全、保護と保全を人類と地球が永続的に保障されるのを支援すべく、理論や体系の確立に向けて研鑚を積む。それとともに、公益大学は、公益のかがり火を掲げて庄内を拠点に東北から全国、さらに世界を俯瞰し、着実に発信し、貢献する。

もちろん、これからの道程は長く厳しい。その長く厳しい道程を学生諸君、そして地域の人たちとともに切り開き、一歩一歩踏み固めていきたい。