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【プロジェクト型応用演習】国際会議のシミュレーション・ゲーミングが行われました


学生活動

 本学では、専門教育科目の応用演習科目の中に「インターンシップ」や「プロジェクト型応用演習」「競争型課題解決演習」などの科目を配置。その中からいずれか4単位以上を履修することを義務付けています。なかでもプロジェクト型応用演習は、各コースの教員がさまざまなテーマでの演習を開講しています。

 2021年7月15日(木)、プロジェクト型応用演習の一つである「国際会議のシミュレーション・ゲーミング」では、2回目のゲーミング演習が行われていました。玉井雅隆准教授の進行に従い、15人の学生が1~2人のチームに分かれ、冷戦期のヨーロッパを再現した、西側諸国(NATO(北大西洋条約機構);アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ)、東側諸国(ワルシャワ条約機構;ソ連、ポーランド、東ドイツ)、中立国(オーストリア)およびNGOのアクターに分かれ外交交渉が行われました。

 まずは1975年8月1日のヘルシンキ宣言を受けて東西ブロック会議。西側諸国は皆アメリカに相談に行き、アメリカとソ連の間では核軍縮交渉が行われました。その後の政策発表フェーズでは、各国が政策を発表。ソ連はポーランド、東ドイツの同盟国に自国のポイントを渡し、協力を依頼。一方、西側のアメリカはソ連に人権侵害批判カード、NGOにはポイントを渡し、東側を牽制しました。続いてのNGOフェーズでは、全面核戦争まで残り10分であることが発表され、NGOからソ連とポーランドにそれぞれ人権侵害批判カードが出されました。第1ラウンド最後の戦争フェーズでは、これまでの国ごとのポイントが公表され、アメリカ70ポイント、ソ連38ポイントと、現段階ではアメリカが優勢であることが明らかになりました。

 続く第2ラウンドはモスクワオリンピックフェーズ。1980年のモスクワオリンピックの参加も含めたさまざまな問題に関して、各国間で軍縮・政策・外交交渉が行われました。学生たちが下したモスクワオリンピックへの各国の参加は、ソ連→開催、ポーランド→参加、東ドイツ→参加、アメリカ→不参加、イギリス→不参加、フランス→参加、西ドイツ→不参加、オーストリア→参加。それを受けての戦争フェーズでは、ソ連とポーランドがまさかの開戦を宣言し、衝撃が走りました。ゲーミングでは、宣戦布告が行われると、各国のポイントが計算され、ポイント数によって戦争の勝敗が決まります。結果は、西側諸国の勝利。史実とは違いますが、ソ連とポーランドは消滅、同盟国の東ドイツも、同盟国の行動により望まない紛争に巻き込まれ消滅という、「巻き込まれ」現象が起こる結果となりました。

 シミュレーション・ゲーミングは、机上の空論ではなく、実際自分がその立場だったらどのように行動するか身をもって体験するため、ただ講義を聴くよりも、より学生たちの理解度は深まるのではないかと感じました。2回のゲーミング演習で異なる立場も経験した学生たちが、国際関係についてどのような考えを持ち、今後、その学びをどう活かしていくのか楽しみです。