FORUM21は課外の教養講座として実施している公開講座で、学内外の講師による幅広いテーマのプログラムを実施しています。
11月16日(日)、酒田市公益研修センター中研修室1にて「『テレビと芸能界』~その関係性から見える課題」を開催し、本学学生と教職員、一般市民の方を合わせて14名が参加しました。講師として元株式会社テレビ朝日常務取締役の両角晃一氏をお招きしました。両角氏は、本学の公共経営研究所の学外研究員も務めていらっしゃいます。
ご講演ではフジテレビ問題を取り上げ、テレビ番組の歴史や、テレビ局とタレントの関係、テレビ局内でのハラスメントなどについてお話しいただきました。

はじめに女性アナウンサーと元タレントの問題について、「フジテレビなどが設置した第三者委員会による報告書から、企業側にハラスメントが蔓延し、事なかれ主義的な対応から適切な対処がされなかったことが分かる。企業の意思決定層に男性が多く同質性の高い構造によってハラスメントが容認されやすい企業風土を作り出している。この男性優位の価値観はフジテレビだけでなく、一般企業、学校、家庭でも起こりうること」と話されました。
フジテレビとタレントの関係について両角氏は、「フジテレビの『楽しくなければテレビじゃない』というスローガンが掲げられて以降、人気バラエティ番組が次々と誕生。『視聴率3冠』を手にし黄金期を迎えた。視聴率重視になるとタレント主義になり、出演してもらうためタレントへの接待が過度なものとなっていった」と説明し、会見でフジテレビの清水社長は「過度に重視した風土が根付いていた」と語り、このスローガンは撤回されたことなどを解説しました。
最後に「現在多くの企業でハラスメント講習やコンプライアンス講習を実施しているが、これは社員だけでなく、社長や取締役などの役員も受ける必要性がある。今回の『フジテレビ問題』は特殊な事案と矮小化せず、自分ごととしてとらえ意識改革につなげていく必要がある」と呼びかけました。
参加者からは、「実際にフジテレビの記者会見に参加したということで貴重なお話を聞くことができて良かった」「フジテレビの問題からテレビ業界の様々な問題についてご自身の意見も交えてお聞きすることができて、有意義となった」「ニュースキャスターを目指しておりジャーナリズムにも興味があったので、実際のメディア現場についてのお話はとても参考になった」などの感想が寄せられました。
地域共創センターでは、学生や教員が話題提供者となって開催する小規模で双方向形式の教養講座(共創カフェ)や、センターが企画・運営する公開講座(FORUM21)を学内外の講師による幅広いテーマで開催してまいります。開催については、本学ホームページや地域共創センターSNS(Instagram、Facebook)でお知らせいたします。