7月5日(土)、酒田市公益研修センター中研修室1にてFORUM21「『カタカナ英語』を考える、『カタカナ英語』から考える」を開催し、本学学生と教職員、市民の方を合わせて27名が参加しました。講師として本学国際教養コースの大山慎一教授が登壇し、カタカナ英語の研究を始めようと思ったきっかけ、英語と日本語の関わりなどについて講演しました。

カタカナ英語の始まりとして「明治初期には英語の音をカタカナで表記した辞書が出版された。昭和20年に発行された『日米會話手帳』は、第二次世界大戦後から欧米の文化を猛スピードで取り入れようと、360万部売り上げた」と説明しました。
大山教授は研究のきっかけについて「酒田市内中学校教員の授業を見に行った際、綺麗に発音する生徒ばかりだったが、自作の英文発表では答えあぐねていた。それまで綺麗に発音していた教員が『カタカナ英語』を話した途端、それが呼び水になり生徒も『カタカナ英語』で発表を始めた。邪見にされていた『カタカナ英語』は扱い方次第で学習を促進する可能性を持つと感じた」と話しました。
子どもたちの学習面について、「学習指導要領では『ネイティブ・ライク』は求められていないため、発音は『カタカナ英語』で問題ない。完璧な発音でなくても『相手に伝わることが大切』と子どもたちに思ってもらうことが重要。『カタカナ英語』を学習の道具とし日本語訛りを矯正しないことで、発音する不安が軽減され、発話や学習を促進する可能性がある」と話しました。
最後に「コミュニケーションを取るには、まず話してみることが大切で、正しい発音はコミュニケーションの中で学んでいくことができる。『カタカナ英語』は恥ずかしいものではないので、アクセントと文章の区切りに注意しながら使って欲しい」と呼び掛けました。
講演後は、大山教授が所有している『袖珍英和節用集 全』『日米會話手帳』『英会話ラジオテキスト NO.40』を見せていただきました。
参加者からは、「難しい内容かと少し緊張したが、授業のように笑いありでとても面白かった」「カタカナ英語の必要性について、コミュニケーションを前提に深く考えることができた」「これからも英語に興味をもって学び続けていきたいと思った」「(中学校の英語教諭の方から)カタカナ英語が学習を促進する可能性があることに勇気づけられた」などの感想が寄せられました。
地域共創センターでは、学生や教員が話題提供者となって開催する小規模で双方向形式の教養講座(共創カフェ)や、センターが企画・運営する公開講座(FORUM21)を学内外の講師による幅広いテーマで開催してまいります。開催については、本学ホームページや地域共創センターSNS(Instagram、Facebook)でお知らせいたします。