2025年11月21日(金)、プロジェクト型応用演習「POSデータ分析で売場改善」(担当:神田直弥 学長・教授、松尾慎太郎 准教授)では、ビッグデータ分析企業、酒田市内の小売店、自治体などと協働し、学生たちが鍋用の調味料など関連商品の「年末商戦の売り場づくり」について提案しました。

本学と株式会社True Data、Aコープやわた店、酒田市産業振興まちづくりセンターサンロクの4者は今年8月に協定を締結し、ご提供いただいた販売データを生かして地域課題の解決を行う手法を身につける、実践的なデータサイエンス教育を展開しています。
これまでの講義では、東日本を中心にスーパーマーケットを運営するJA全農Aコープ株式会社のAコープやわた店の実際の売り上げ個数・価格等のPOSデータを本学にご提供いただき、このデータと、企業のデータマーケティングを支援するTrue Dataが提供する市場データとの比較・分析を実施してきました。Aコープやわた店の実際のお客様を想定し、「酒田市八幡地区または遊佐町に住むシニア層」とペルソナを設定しています。
発表に向け学生たちは、店舗視察に加え、全国的な鍋つゆの売れ筋商品と、Aコープやわた店の売れ筋商品を比較検討するデータ分析などを行ってきました。各チームが「鍋を食べる前後の行動」、「世代ごとの味覚・流行の違い」、「ついで買い」を狙い、鍋の〆に合う商品を扱う棚割りなど、各チームがストーリー性を持たせる工夫を凝らした提案を行いました。
提案会は、協定を締結するAコープやわた店、True Data、酒田市産業振興まちづくりセンターに加え、多くの方々にご参加いただき実施しました。参加者からは、「データ分析がしっかり行われており、よく考えられた提案だった」「各班でアプローチ方法が違っていて面白い提案だった」などの講評をいただきました。また、実際の売り場づくりに向け、「大学生らしい、今の若者に流行っているアレンジ鍋に関するポップがあると関連商品の販促につながる」「売れているもの以外を売ってみるチャレンジをして欲しい」「誰に何を売りたいか、コンセプトに一貫性を持たせるとより良い売り場づくりができる」などのアドバイスをいただきました。
今後は、棚割りやポップ作成を行い12月中旬よりAコープやわた店の実際の売り場づくりに反映させ、実証実験と効果測定を行う予定です。
※「プロジェクト型応用演習」は、公益学部2・3年次が履修する科目で、地域の方々の協力を得ながら実施されています。学生はそれぞれの専門分野や興味・関心に応じて履修科目を決め、授業で学んだ手法や専門知識を活かして、課題解決に取り組みます。